こんにちは、 ai (@aru.home_ai)です。
今日は、マンションリノベーション、リフォームの「しやすさ」について書いていきたいと思います。しやすさという、あいまいな表現ですが、いちばん適切かと思います。
リフォーム、リノベーションにおけるスケルトン状態とは、既存の内装材や間仕切り壁をすべて撤去し、構造躯体があらわれた状態、つまり梁や柱のコンクリートが剥き出しの状態を言います。(写真参照)
ご存知の方もおおいと思いますが、スケルトンリノベーションを実施しても、制約もなく、水廻り設備を好きな場所に移動して、希望の間取りを実現できるわけではないのです。。。
つまり、マンションリフォームの場合(戸建リフォームでもそうですが)「条件によってできないことがたくさんある」ということなんです。
簡単に説明していきたいと思います。まずは、水回り設備についてです。
わたしたちが、現地調査時にまず確認するのが、パイプスペース(竣工時の図面にはPSと表記されている)の位置です。マンションの室内には、必ずPSが配置されています。簡単にいうと、システムキッチンやユニットバス、洗面台の排水を上階から1階まで流しす為の、縦菅を見えないように、壁で囲って見えなくしているスペースになります。(写真参照)中央少し左側にあるのが縦管です。
この配管自体は、マンションの共有部分となり、許可なく位置変更や、リノベーションでなんらかの手を加えることは、絶対にできません。
例えば、リノベーションで、壁付けキッチンからアイランドキッチンにしたいと思った場合、排水管や給水管、給湯管も同時に移設する必要があります。
キッチンのシンクから流れでた排水は、雑排用の縦管めがけて、流れていくように設計されています。横びき管と言われますが、最低限、必要な勾配(傾斜)が決まっています。これを無視すると、逆勾配となり、排水が流れず、水漏れや逆流の原因となります。
この絶対に動かせないPSを起点にして、どのように排水勾配を確保するかを踏まえながら、間取り変更を考えることが、プラン作成の基本となります。
横引き管の勾配さえ確保できれば、全く別の場所、例えば、バルコニーで外を見ながらお風呂に入りたいとの希望あったとします。極端なはなし、やろうと思えばできますが、動かせないPSからの距離が遠くなるほど、その横引き菅を床下に隠すために、床あげ工事を実施し、数十センチになるなど、現実的ではありません。
天井高さにも限りがあるマンションリフォームで、この手法は不可能に近いとおもいますし、可能だとしても、床が上がることで、天井高さが低くなってしまい、せっかくリノベーションしたとしても、非常に窮屈な空間になってしまいます。
特にトイレがつながっている汚水管は、キッチンや洗面台などの雑排水管と、別になっていることがほとんどです。紙などを一緒に流すトイレは、勾配が取れたとしても紙詰まりの原因となるため、基本的には、今の位置を動かさないご提案をしています。
さらに、リフォームやリノベーションを対象になるような時期に建てられたマンションは、直床と言って、コンクリートに直接仕上げ材(例えば:木質フローリング)などが、施工されており、水回り設備の移設には、不向きと言っていいと思います。
一方、二重床工法という、床下に空間を確保して、排水や給水、給湯管などを埋設してる工法もあります。こちらは、比較的に移設がしやすいと言われていますが、大胆に水回りをかえていくにあたっては、直床と同様に制約があり、あまり、大差がないというイメージです。
このあたりをいかに工夫して、PSと新たに移設した設備機器との勾配と距離、位置関係を考慮しながら、配管を物入れ内部に隠蔽するなどの工夫をして、安全にかつ希望にあった間取りを考えることが、マンションリノベーションの基本となります。
つまり、スケルトン状態にすれば、好きなように間取りを設計できるというのは、少しウソがあります。
次は柱や梁についてです。マンションの場合、柱と梁で支えているラーメン構造と、壁と床で支えている壁構造があります。マンションにお住まいの方だと、わかると思うのですが、壁と天井の境目や、部屋の中心などに、張り出した部分があると思います。意外と圧迫感があり、築古のマンションだとびっくりするぐらいの大きさの梁と出会ったりします。壁構造は、約20センチほどの厚みのある壁で天井と床を支えています。
いずれにせよ、構造物である梁や柱や壁は、絶対にさわることができないのでが、どちらかというとラーメン構造の方が、室内の壁は、ほぼ撤去できますので、リノベーションはやりやすいと思います。
このようにわたしたちがプランをする際、梁や柱の大きさ、天井高さ、PS(パイプスペース)の位置、直床か2重床などが、重要な要素となってきます。
中古マンションを買ってリフォームやリノベーションをお考えの方は、立地や広さも大事ですが、思い描くリノベーションができそうかは、物件の購入時には、意外に、抜けてしまいがちになります。
できれば事前に、リノベーション会社に立ち会ってもらって現地調査してもらうことをお勧めします。難しい場合は、上記のポイントをある程度、確認しておけば、できないことを減らせると思っていますが、解体前に全てを把握することは、わたしたちでも難しいと知っておいていただきたいのです。
リフォーム、リノベーションは、お客様と一緒に作り上げていく、共同作業だと思っています。どうしても進みながら、判断して行かなければいけない部分も出てきます。
一緒に作り上げた、リノベーションは、達成感がすごい!٩( ᐛ )و
わたしも日々、たくさんのお客様とたくさんのお打ち合わせを重ねながら、さまざまな思いの詰まった、リノベーションをこれからもお手伝いできればなと思います。
リフォームをお考えのかたになにかヒントになればうれしいです。
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